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新富裕層のための不動産投資-2026年6月 / 現場で感じる不動産市況

本記事は公開1~2か月前に配信した富裕層向け不動産投資メルマガの抜粋です。

現場で感じる不動産市況
売買の楽待反響分析とリフォームアイデア事例など

【1】現場で感じる不動産市況

今月は日銀の利上げにより、政策金利が1.0%、30年ぶりの新たな局面に入りました。

今年の3月の日銀レビューで想定する中立金利の下限は1.1%ですが、日銀審議員の中立金利2%前後という発言もあり、将来的な2%への利上げも示唆されています。

ただ、高市政権が掲げる「骨太の方針」では、過度な利上げをけん制、金融緩和を継続する趣旨のコメントもあり、今後の日銀審議員の人事も含めて、日銀の独立性と政府方針との綱引きにも注目です。

REITや不動産株については、利上げに対してネガティブな初動がありましたが、6月のレインズ成約事例では、RC物件、相対的に土地の資産性が高い物件の成約が多く見受けられました。
7月1日に令和8年の路線価も発表され、全国平均で2.9%の上昇となりましたが、地域ごとで路線価の格差も広がっています(東京:9.4% 神奈川:4.5% 千葉:4.4% 埼玉:2.3% )。

一方、利上げに伴う期待利回り(割引率)上昇によって売主様と買主様で利回りギャップが生じ、都心の高額物件を中心に上昇トレンドが踊り場を迎えている状況ではあります。
楽待が発表しているレポートによりますと、1都3県の1棟マンションでの利回りギャップは0.5%~1%(約10%の価格差)となっています。反響のある物件は集中していると思われますが、AIの活用等によって、判断軸も集約されていく可能性があります。

当社も仕入れに注力しておりますが、以前よりも情報格差は縮小しており、競争が激しい環境は変わらずという認識です。一般企業の業績、株価も堅調なため、売り急ぎ案件や特殊な事情がある案件も多くはありません。
資本主義の構造として、一極集中が進みやすい環境ではありますが、同時に市場の歪みも出てくるかと思いますので、効率化の中でも、不動産ならではの本質的価値、潜在価値を見出していきます

政策金利の推移【出典:時事通信 経済部
一都三県 1棟マンションの利回りの比較【出典:楽待レポートから当社作成】

【2】日銀と金融機関の最新融資動向

直近の日銀の試算では、日本の自然利子率(中立的な実質金利)は、- 0.9%~+0.5%と推計されています。

この自然利子率に期待物価上昇率2%を加えたものが、中立金利(1.1%~2.5%)で、日銀の金融政策での判断軸になっています。つまり、現時点の公式見解では、ターミナルレート(到達金利)は2.5%以下で、予想値として多いのは1.5%~1.75%との状況です。

不動産融資の調達金利は政策金利+0.5%~+1.0%の範囲(実行金利1.5%~2.0%)での融資実績が多いですが、賃料上昇とのタイムラグが発生するため、以前と比べて自己資金が必要になる案件も増えています。実際に日銀が公表している約定金利を見ましても、現場の体感値と一致しています。
長期金利で、都市銀行よりも地銀の方が金利が低い特徴がありますが、不動産融資比率が高いことの影響もあるかとは思います。

また、融資する立場として、借入返済余裕率(DSCR)、収益予測(将来NOI)、積算比率がポイントになりますが、保守的な銀行と個別性を読み取っていただける銀行とで二極化している印象です。最近ですと、株高が進んでいるため、お客様の与信が上がったことで、不動産を買い進める余力が上がっている方が増えているように感じます。

与信審査において、上場株式は時価評価100%でカウントしていただける銀行が多いのですが、変動率が高い資産という前提を踏まえますと、かなり借り手優位の考え方だと気づきます。
極端な話として、株式が1億円保有されている方で、融資実行後に5000万円に下がったとしても、基本的には、株価が下がったことに対する金利負担やペナルティはありません
直近では株価上昇トレンドは継続していますが、景気循環サイクル、株価サイクルを考慮しますと、決して楽観視できないとは思います。

一方、高額年収で与信向上を目指す場合、節税を重視してしまうと、格付が下がってことがありますので、注意が必要で、目先のキャッシュフローを重視するか、将来的な資産規模拡大を目指すか、目的を明確にする必要があると考えます。

直近の当社実績では、東日本銀行様、静岡銀行様、りそな銀行様での融資事例が増えていますが、お客様によってはフルローンに近い融資実績もありますので、その点は個別にご相談いただけますと幸いです。

実質金利と自然利子率の関係【出典:日銀レビュー】
貸出約定金利【出典:日銀HP】

【3】こだわりのリフォームアイデア

工事費も上昇傾向にあるため、アイデアを生かしたリフォームの重要度が高まっています。
もちろん、あらゆるオーナー様が同じ環境変化に直面していますので、結果的には、全体の家賃上昇に転嫁されていくかと思います。そのため、アイデアやセンスを生かしたもので、かつ物件ごとの賃貸需給を踏まえた差別化が必要です。

今回は当社で実施したリフォームも含めて、ご入居者様にヒットするプラスαの事例をご紹介いたします。

◆3点ユニット⇒シャワーブース+トイレへの分離
3点ユニットはネット検索でも敬遠されがちで、立地、賃料勝負になりやすい傾向があります。
最近は浴槽への需要が減っていますので、シャワーブースとトイレを分離することで、近隣の競合物件との差別化や、3点ユニットを懸念する層(バストイレ別を希望する方)の需要を取り込むことができます。
ある調査では、約20%の方が浴槽は不要と考えており、水道代やメンテナンス、清掃を考えた場合のコスパも良いという意見もあります。
工事費はトイレも含めて100万円前後になるかとは思いますが、家賃が20%~30%程度、上がる見込もありますので、3点ユニットの交換のタイミングが来た際には検討の余地があります。

当社事例
当社事例

 ◆書斎スペース、本棚の設置
読書離れが進む中で、需要の母数は少ないかもしれませんが、本棚の専用スペースが欲しいという潜在需要は高いのではと感じます。
安い本棚ですと、歪んだり壊れてしまうことがあり、かと言って丈夫なものを買おうとすると高額になります。
また、書斎スペースと合わせて本棚があると、在宅ワークのイメージも湧きますし、個室感があって、写真映え&内見時の印象UPで、差別化できると考えます。
因果関係は別として、高年収の方は読書量も多い傾向にあることを踏まえますと、家賃の支払い能力も含めて、相乗効果が高いと感じます。

当社事例

◆和室の小上がり、ヌックでの空間利用

ファミリー世帯、子育て世帯に対して、間取りと同じぐらい収納・居心地が重要だと思います。

昔はテレビのチャンネル争いがありましたが、今ではスマホがあるため、同じ空間にいながら家族で違うことをして過ごすこともできます。
とは言え、プライベート空間が欲しいこともありますし、仕事をしたり、ちょっとした読み書きをしたいと思った方も多いのではないでしょうか。

昨今SNSでも人気ですが、ヌックと呼ばれる居心地の良い小スペースも、賃貸では希少性が高いと思います。子供がいる世帯は遊ぶ場所はケガの心配や片付け等の問題もあり、小上がりの畳スペースの需要もあります。

今回は一例をご紹介しましたが、人の数だけ住まいの形は異なりますので、今後もアイデアを生かした住まいの提供をしていきたいと思います。

和室小上がり、ヌックの事例【出典:ロゴスホーム(https://www.logoshome.jp/blog/interior-design/about-nook/)】

4.レインズ成約事例

次に6月のレインズ成約状況についてご紹介させて頂きます。
1都3県の成約件数としましては先月からは5件増加となっています。

2025年5月成約数:72件(確定値) 
2026年6月成約数:77件(速報値)

※6月は速報値のため上振れする可能性はあります。

レインズ在庫は【平成元年築以降、1億~5億、都内でレインズに1681件掲載、※重複有】先月の1682件から1件減少でした。