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目次
本記事は公開1~2か月前に配信した富裕層向け不動産投資メルマガの抜粋です。
現場で感じる不動産市況
~円安とインフレが加速する局面での資金調達のポイントなど~
【1】現場で感じる不動産市況
直近の株高&物価上昇、そして6月の利上げ観測を踏まえ、売却需要と購入需要の二極化が加速している印象です。
レインズの成約動向としましては、昨年比では、成約総数は微減、神奈川、千葉、埼玉の3県の成約比率が高いことが特徴的です。在庫は昨月比で2.2%上昇も、満額や満額以上での成約もございました。
自社物件の仕入では、売主様との条件合意が得られない案件も多く、競合他社様の買い意欲が依然として高いと感じています。
そのような中、5月の当社販売実績では、りそな銀行様、静岡銀行様での好条件での資金調達もあり、5億円以上の大型物件の販売決済も複数ございました。
また、5月29日に総務省が国勢調査の人口速報値を発表しましたが、人口増減の明暗も分かれており、地銀による越境融資を加速させている一因となっています。
東京23区、大阪市、福岡市、千葉市は人口増加率2%以上でさいたま市、川崎市が1%以上の上昇となっています。横浜市、札幌市、京都市の減少は意外ですが、人口減少が加速する中で立地等の目利きが必要だと感じます。現に、大阪市では半年間で賃料上昇率が3%を超え、世界ランキングでも1位となっています。
日経平均も7万円を目指す展開となっていますが、円安(円の実力)が低下していることであり、単純に喜べない状況でもあります。
実際、実質実効レートでは、1967年、約60年前と同水準まで低下し、円の価値が揺らいでいることへの危機感はあります。
一方、賃貸経営という観点では、借入によってバランスシートを拡大する投資ですので、通貨価値の下落する円通貨での借入をすることで、実質的な借金が目減りしているとも考えられます。
予想以上に物価上昇ペースが早く、6月は利上げが想定されていますが、どのような議論になるのか、今後の利上げペースにも注目が集まります。
参考:日銀金融システムレポートhttps://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/index.htm


【2】地銀の最新融資動向
国内金融機関の預金残高が下落傾向に転じたことは、デフレからインフレへの転換を象徴する出来事だと感じています。
金融緩和期においては、貸出を増やすことが重視されていましたが、直近では貸出よりも預金の重要度が高まっています。そのため、将来的な預金獲得や総合取引が見込めるかどうかが融資の判断基準に大きな影響を与えています。
また、今後の利上げで、金融機関の利益上昇が見込めますが、金利上昇に堪えうる体力がなければ貸し倒れに繋がってしまうため、格付や与信調査には慎重になっているように見受けられます。日銀金融システムレポートでは、将来的なリスクシナリオとして、住宅不動産価格は25%減、賃料10%減を想定していますので、融資のストレステストの参考にはなります。
こうした融資環境下ではありますが 、5月の当社販売事例においては、りそな銀行様、静岡銀行様での大型の資金調達がございました。低金利かつ高レバレッジでの融資でしたが、預金や将来的なお取引を踏まえての判断だと感じています。最近では、融資実行時にクレジットカードのご提案も増えており、富裕層のお客様との接点を増やすという中期経営計画にも準じています。
一方、すでに複数の金融機関でのお取引がある場合、与信チェックで時間がかかるため、初期審査のハードルが高まっていると感じます。実務的には、契約前に融資を打診したいところですが、金融機関の立場としては、契約が確定してから融資審査をしたいという本音があります。
そのため、どの程度の確度の案件をどのタイミングで持ち込むのか、金融機関との実績、関係構築の価値がより一層高まっています。
私たちも、お取引銀行様との実績の積み上げを行うことで、お客様へのご融資においても優遇条件で適用いただけるよう、中長期的なご支援を行っていきたいと考えています。
【3】リフォームの費用対効果とご入居者様の満足度
中東情勢と円安、インフレの相乗効果でお風呂、キッチン、トイレなどの住宅設備の価格上昇、納期遅延が発生しています。納期については一時期よりも停滞感が薄れましたが、6月以降の値上げは必須の状況ではあります。
オーナー様の立場としましては、費用対効果とご入居者様満足度の両立ができる工事が望ましく、私たちも日々、試行錯誤しています。直近では、エアコン追加や建具交換など、募集時のオプション工事を自社物件で実験的に導入いたしました。
特にエアコンについては、2027年4月から省エネ基準が引き上がるため、古い省エネ基準のエアコンの製造、販売が禁止されます。価格も上昇するため、早めに対策を打つ必要があります。
一方で、ファミリータイプの間取りなど、「エアコンを何台設置するべきか」は判断に迷うことがございます。もちろん、賃料が同じなら、台数が多いほどご入居者様の満足度は高いですが、人によっては過剰または賃料が安ければ無しでも良いという場合があります。
建具も同様で、新しい方が魅力的で募集もしやすいですが、修繕費とのバランスも重要なので、ご入居者様に賃料アップとセットで選んでいただくような取り組みもしています。まだ実施件数は少ないものの、一定の効果を実感しており、今後に向けてオーナー様、ご入居者様の双方にとってのギャップを解消したいと考えています。
上記は自社の実績、方針ですが、ご参考までにスーモリサーチセンターのアンケート結果を共有させていただきます。
まず、図「設備設置率と解約時のギャップ」をご覧いただきますと実際に設置されていた設備と次の引っ越しでも欲しい設備とのギャップが分かります。例えば、24時間対応のごみ置き場、無料インターネット、ウォークインクローゼットなどは次回の引っ越しで希望する方の比率が大きく、ご満足度は高いと考えられます。逆に照明設置については、相対的に必要度が低く、ご自身で選びたいという需要があるのかもしれません。
次に図「入居前後ギャップ」においては、周辺の騒音、環境、住民層、窓幅、天井高、日当たり、通風など、図面や動画では伝わりにくい点が、入居後の不満足として挙げられています。
最後にペット飼育需要について、図「今後(も)飼いたいペット」において、将来も含めて飼いたくないという方が6割で、逆に、将来も含めて飼いたいという方が4割もいます。現在飼育している方が2割なので、残りの2割は潜在需要として、将来、顕在化する可能性があります。少子化で人口減少の時代に入りますが、反比例してペット需要が高まっています。
人口動態や需要の変化を捉えた上で、費用対効果及びご入居者様の満足度の高い工事、部屋作りを目指してまいります。
参考:スーモリサーチセンター 2024年度契約者動向
https://www.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2025/11/20251010_EDQP2Q_01.pdf


入居前後ギャップ【出典:スーモリサーチセンター 2024年度 賃貸契約者動向調査】
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4.レインズ成約事例(4月)
次に4月のレインズ成約状況についてご紹介させて頂きます。
1都3県の成約件数としましては昨年対比7%減で先月からは20件減少となっています。
2025年3月成約数:89件(確定値)
2026年4月成約数:69件(速報値)
※4月は速報値のため上振れする可能性はあります。

レインズ在庫は【平成元年築以降、1億~5億、都内でレインズに1682件掲載、※重複有】先月の1646件から36件増加でした。