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コンサルタントレポート

2022年9月／現場で感じる収益不動産市況

2022.11.15

月次市況解説

利回りは横ばい〜低下
融資の傾向
9月のレインズ成約事例
成約事例から感じること

本記事は公開1～2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

9月は半期決算の締めの月でした。

金融機関の決算需要もあり、1年のうちでも特に成約件数が多い月になりました。
（後述のレインズ成約事例では直近1年で2番目に多い）

独立系・財閥系ともに不動産大手も最高益を更新しており、不動産業界全体として堅調であるといえます。

利回りは横ばい〜低下

全国の不動産を扱っている健美家の最新レポートによりますと、

区分＆1棟マンションの利回りは横ばいで、1棟アパートの利回り低下が顕著です。

下記グラフは全国の平均の推移ですが、一棟マンションの首都圏に限った場合、1年前の利回り7.29%⇒6.91％まで低下しています。（価格は上昇）

また、住信基礎研究所が公表しているJREITのインプライド・キャップレート※も低位安定はしていますが、リーマンショック前の水準までは高騰していない状況です。

※資本市場が（投資口価格を通じて）示すJ-REIT運用不動産に対する要求利回り

融資の傾向

一方、価格が横ばいもしくは微増傾向にある中で、融資の際に必要な担保評価との乖離はありますが、買主様の信用補完によって調達金利は低下し、積極融資をしている印象です。

りそな銀行

例えば、直近ではりそな銀行がコベナンツ融資に注力し、不動産融資を推進していると聞きました。

コベナンツ融資とは、融資手数料として前倒しで収益を計上するための仕組みです。

スルガ銀行

その他、スルガ銀行も9月の融資は絶好調です。

会社の中長期計画を踏まえると、さらに融資額を倍増させる必要があり、人員も確保する方針とのことでした。

横浜銀行

横浜銀行はコベナンツ融資をやや縮小しているようですが、それでも千葉銀行同様に積極姿勢は変わらずという印象です。

また、金融機関のドル箱だった仕組債の販売にブレーキがかかったことで、やはり不動産融資で稼ごうという方針になる金融機関もあるかと思います。

9月のレインズ成約事例

続いてレインズ成約事例についてご紹介させて頂きます。

1都3県の成約件数は、昨年対比で約131％で、先月からは減少となっております。

・2022年8月成約数：29件
・2022年9月成約数：46件（速報値）

レインズ在庫は1206件（平成元年築以降、1億～5億、都内、重複有）、先月の1177件から在庫は増加しています。

成約事例から感じること

利回りだけに着目すれば5％～11％まで幅広い成約があり、特に耐用年数オーバーの物件は土地の価格に近似することがわかります。

土地価格は出口に大きく関わります。
賃貸需要があって稼働が維持できていれば（建物を取り壊して再建築しても需要があれば）、土地の資産性と取り壊しまでの賃料収入を見越した買い手は存在します。
仮に満室想定年収が1000万円の物件の場合、
・建物が50年持つのか
・60年持つのかで
約1億円の賃料差があるため、建物の施工レベル・修繕履歴はより重要です。

やはり年を重ねると差が出るのは、人間も建物も同じではないでしょうか。

2022年9月　レインズ成約事例（抜粋）
　

①「上永谷」駅　徒歩16分　S49年　RC造
　売出価格　1.58億⇒成約価格　1.40億
　土地　148坪　建物　318坪
　成約利回り⇒約11.7％
　ポイント：利回り11％、買い替え特例適用可
　留意点：耐用年数オーバー、倉庫・事務所あり