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目次
本記事は公開1~2か月前に配信した富裕層向け不動産投資メルマガの抜粋です。
現場で感じる不動産市況~政局変動に伴う地銀の融資方針、賃貸募集戦略など~
【1】現場で感じる不動産市況
10月は高市政権の誕生と日銀の利上げ保留、そして歴史的な株高といった節目となるようなニュースがたくさんありました。第4章に記載の成約事例の通り、1都3県のレインズ成約事例も昨年対比43%増で堅調です。
10月の金利据え置き判断について、物価上昇率の予測について慎重姿勢を維持したようで、データ重視といえども、政策方針と為替レートを踏まえた総合判断が大きかったと感じます。
円安も進み、都心部での海外投資家需要も高まっていますが、長期金利が上昇傾向ということもあり、時価の上昇に対して金融機関評価とのギャップが広がっている印象はあります。
もちろん、不動産価格上昇の背景には家賃上昇、収益アップがありますが、現在の上昇ペースはまだ本格的なインフレの助走期間に過ぎないという可能性もあります。
今後は株価の上昇が賃金上昇に直結するような実体経済への良い影響を期待したいところです。
一般的には株価に比べて不動産は遅行性があるため、時間差の資金循環、与信拡大によって強気のトレンドが継続すると考えます。ただ、ここまで株価の勢いがあると預金⇒株式への資金移動が加速し、ますます預金が枯渇することになると思われます。
特に不動産融資に積極的な金融機関はすでに預貸率が高く、地方銀行の越境融資による課題も重なって、ますます預金確保の重要性が高まっています(越境融資による預金流出イメージは以下参照)。
賃料収入につきましては、量の拡大(最大賃料)と質(入居期間、利用状況など)を高める戦略があります。第3章では、不動産情報サイトの最新のアンケート結果を踏まえ、賃貸募集のポイントを後述致します。

【出典:野村アセットマネジメント https://www.nomura-am.co.jp/sodateru/stepup/economic-trend-keywords/consumer-price-index.html】


【出典:THE GOLDONLINE https://gentosha-go.com/articles/-/15374】
【2】地銀の最新融資動向
10月を境に、各金融機関の融資姿勢について変更があった金融機関もありましたので、最新の金融システムレポートの情報も交えてご紹介させていただきます。
まず、全体の融資トレンドですが、地銀の融資に関しましては、直近約3年は前年比の伸びが横ばい傾向にあります。昨今の価格上昇分を考慮しますと、実質的には案件数は絞っていると想定されます。前回、債務者区分(格付)についてもコメントさせていただきましたが、大手行を中心に正常先への融資比率が高まりつつあり、優良企業、個人に絞り込んでいる結果ともいえます。
相対的に信用金庫での融資ハードルは低いのですが、モニタリング強化の傾向もあって、不動産評価や融資の判断についても、より定量的な判断が増えている印象です。格付によって貸倒引当金が異なるため、金融機関にとっての収益である金利を上げる必要があり、結果的に融資額が伸びにくい事例もあると聞いています。また、地銀や信金の中で国債などの有価証券の保有比率が高い機関も多く、利上げの検討に際して、その影響(評価損)も考慮しているようで、大きな利上げに踏み切れない事情もあります。
続いて、個別行の具体的な動向につきましては、以下の通りです。
・西京銀行様:
期間40年の融資を開始致しました。その結果、融資額も以前より5%程度UPする見込みです。金利負担とのバランスを考慮する必要はありますが、キャッシュフロー重視戦略の方にとっては大きな魅力です。
・静岡銀行様、スルガ銀行様:
金融資産3億円以上の富裕層のお客様への融資を推進しています。現時点では1億円以下のパッケージ型アパートローン融資が多いですが、銀行側としてはリピート融資に繋がりにくいこともあり、将来的に2~3棟購入できる方に対して優遇したい意向があるようです。
・横浜銀行様:
コベナンツ融資について、本部ジャッジが厳しくなっているとのお話もありましたので、下期はさらに案件の選別が進んでいくと考えます。
・千葉銀行様:
不動産の売却案件が増えているようで、残高が減少した分を補填するために大型の優良案件はチャンスです。
不動産取引において、買主様が宅建業者でない場合、一般的に融資特約ありでの契約を行うことが多くなります。融資特約ありというのは停止条件付であり、売り主から見れば契約としては不安定になるため、事前に必要書類を準備して迅速に融資審査を進めらるということは買主様にとっての大きな優位性ですので、常に最新情報にアップデートすることが望ましいと考えます。
参考:日銀 金融システムレポート(https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/index.htm)


【3】不動産情報サイトアンケートから考える賃貸募集戦略
賃貸募集戦略において、SUUMOやLIFULL HOME'S等の大手不動産ポータルサイトにおける検索順位、訴求方法、写真構成の重要性は年々高まっています。まずは検索条件から漏れないことが大前提ですが、登録情報の不足は検討の遡上にすら載らないことを意味します。細部まで情報を網羅し、写真の量と質を極限まで高め、入居希望者の目に留まる「第一関門」を突破することが、空室対策の起点となります。
さて、入居希望者がお部屋探しで重視するポイントについて、不動産情報サイトによる2025年度版のアンケート結果が公開されました。主なトピックスは以下の通りです。
- 賃貸物件の探索期間が長期化し、問い合わせ物件数および不動産会社数が増加
- IT重説(オンラインでの重要事項説明)の需要が拡大
- 省エネ性能の高い物件に対するニーズの向上
これらの中で、特に注視すべきは「探索期間の長期化と慎重な選定傾向」です。賃料上昇トレンドを受け、入居希望者の皆様はより前倒しで、かつ慎重に物件を比較検討するようになっています。具体的には、平均問い合わせ不動産会社数は「3.3社」、平均問い合わせ物件数は「5.5件」という結果が出ています。これは、1件の成約を獲得するためには、逆算して少なくとも6件程度の有効な反響を積み上げる必要があることを示唆しています。
一方で、オーナー様が内見者様と直接対話する機会は稀であり、現場の情報は仲介会社様のヒアリングベースに留まらざるを得ません。そのため、反響・内見分析の精度が、仲介担当者の洞察力やコミュニケーションスキル、さらには貴社との関係性に大きく依存してしまうという構造的な課題が存在します。どのような業界のマーケティングにも通ずることですが、散在する意見の中から「主観」と「事実」を切り分け、ノイズを除去して本質的な課題を抽出することにあります。しかし、入居希望者自身も自分の潜在的なニーズを正確に言語化できているとは限りません。だからこそ、単純なデータ分析のみならず、行間を読み解く高い専門性と人間力が求められます。
また、同アンケートにおける「物件情報以外に必要だと思う情報」という項目では、以下の要素が上位に挙がっています。
- 治安情報
- 地盤の強固さ、およびハザードマップ情報
これらは一見、物件そのもののスペックではありませんが、訴求次第で強力な差別化要因となります。こうしたニッチなニーズを深く掘り下げることに、AIに代替されにくい、空室対策のヒントが隠されています。
最後に、賃料アップを追求する攻めの姿勢と同様に、空室損失を最小化する「守り」の重要性についても触れたいと思います。賃貸住宅新聞が発表した「必須設備」の調査によると、単身・ファミリー物件を問わず、以下の設備は「あって当然」のものとして定着しています。
- エアコン、室内洗濯機置き場、TVモニター付きインターフォン
これらは標準的すぎるがゆえに盲点となりやすく、最新の付加価値設備を導入していても、これら基本設備の劣化や不足が原因で、ポータルサイトでの足切りや内見時の他決を招くケースが往々にしてございます。賃料最大化に向けた+αの投資を行う前に、まずはこれら必須設備のコンディションを再確認することが、堅実な賃貸経営の第一歩となります。物件全体の募集戦略を構築する際の一助となれば幸いです。
※参考:不動産情報サイト利用者意識アンケート調査 https://www.rsc-web.jp/pre/



レインズから分かる収益不動産マーケット
次に10月のレインズ成約状況についてご紹介させて頂きます。
1都3県の成約件数としましては昨年対比43%増で先月からは40件減少となっています。
2025年9月成約数:109件(確定値)
2025年10月成約数:69件(速報値)
※10月は速報値のため上振れする可能性はあります
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レインズ在庫は【平成元年築以降、1億~5億、都内でレインズに1570件掲載、※重複有】先月の1543件から27件増加でした。
①西武池袋線「飯能」駅徒歩6分 1989年 RC造
売出価格 8,920万 ⇒ 成約価格 8,400万
土地 69坪 建物 134坪
成約利回り ⇒ 8.8%
ポイント:容積未消化、1億以下RC
留意点:賃貸需給バランス△

②JR中央線「三鷹」駅徒歩8分 1986年 RC造
売出価格 1.7億円 ⇒ 成約価格 1.7億円 ※満額
土地 45坪 建物 114坪
成約利回り ⇒ 7.8%
ポイント:三鷹駅8分、土地資産性〇
留意点:建ぺい&容積オーバー、狭小単身

③東武野田線「江戸川台」駅徒歩14分 1993年 RC造
売出価格 2.4億円 ⇒ 成約価格 2.21億円
土地 441坪 建物 442坪
成約利回り ⇒ 7.6%
ポイント:、積算比率90%、角地・整形地
留意点:ハザード△、修繕費用

④グリーンライン「川和町」駅徒歩17分 1994年 RC造
売出価格 4.5億円 ⇒ 成約価格 4.45億円
土地 278坪 建物 415坪
成約利回り ⇒ 7.2%
ポイント:2018年大規模修繕実施、駐車場あり
留意点:一階テナント

⑤京急本線「雑色」駅徒歩3分 1987年 RC造
売出価格 1.238億円 ⇒ 成約価格 1.238億円 ※満額
土地 67坪 建物 102坪
成約利回り ⇒ 6.9%
ポイント:賃貸需給バランス〇、駅近
留意点:一階テナント、ハザード△

⑥京成本線「お花茶屋」駅徒歩9分 1987年 SRC造
売出価格 7億円 ⇒ 成約価格 6.7億円
土地 79坪 建物202坪
成約利回り ⇒ 6.4%
ポイント:建物グレード〇、接道〇
留意点:積算比率40%

⑦京王線「府中」駅徒歩7分 2002年 RC造
売出価格 3.68億円 ⇒ 成約価格 3.65億円
土地 79坪 建物202坪
成約利回り ⇒ 5.4%
ポイント:修繕履歴有、広めの単身間取り
留意点:冠水履歴要確認

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