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2022年5月/現場で感じる収益不動産市況

2022.07.15

月次市況解説

本記事は公開1~2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

5月を振り返っての市況感ですが、収益不動産業界全体の成約数はやや落ち着いた1カ月だったという印象です。

そのため価格自体は横ばいですが、レインズ在庫数は当社が2020年1月から集計を開始して以来、過去最大件数となっています。

(詳細は後述致します)

下落する株式・仮想通貨

米国株式や仮想通貨などが下落傾向です。

イギリスの格言で「セル・イン・メイ」というものが有名ですが、統計的にも5月~9月は株価が軟調になりやすいという背景もあります。

さすがに直近ではやや戻しました。しかしNYダウは90年ぶりとなる8週連続下落となり、金融引き締めに対する警戒感は依然として残ります。

株価下落と過去の暴落の比較
出典:2022年5月28日 日経新聞
暗号資産の価格の下落率
出典:2022年5月29日 日経新聞

株式下落は悩ましい

不動産は株式と違い、現物資産としてのインフレ耐性があります。

不動産を購入する際の自己資金として株式等を換金することは一般的ですが、その判断に悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また株式保有比率の高い投資家の場合、銀行からの評価(格付)が株式価格に依存してしまうこともあり、その場合は投資方針を再検討せざるを得ない事情もわかります。

株式から不動産へ

一方、昨今の乱高下によって、改めて不動産の魅力を見直す方も増えてきました。

約500兆円と言われる日本企業の保有不動産も動き始めています。

上場株式などは時価がすぐに分かるという特性があります(良くも悪くも)。

そのため相場の変動が激しい場合、どうしても株価が気になり、一喜一憂してそれがストレスにもなり得ます。

しかし不動産であれば時価の変動が小さく、かつ見えにくいというメリットがあります。
投資の王道である中長期保有に適していると言えるでしょう。

その他、インフレに強いとされる代表的な金は上昇傾向にあり、株式や債券市場からの資金流入が加速しています。

絵画や美術品など1点物の資産も上昇傾向で、今後デジタルドルなどが発行されれば、実物資産価格の高騰に拍車がかかるかもしれません。

米国の資産別の上昇率
出典:2022年5月31日 日経新聞
金価格の推移グラフ
出典:2022年5月31日 日経新聞

インフレの流れ

世界的にはインフレが加速していますが、日本だけは金融緩和の継続によって物価上昇も抑えられており、欧米ほど急激な物価上昇にはなっていません。

物価上昇率を表したグラフ
出典:2022年5月31日 日経新聞
消費者物価指数のグラフ
出典:2022年5月11日 日経新聞

ただ、商流の風上の企業物価は前年比10%を超えており、川下の最終財への転嫁は時間の問題だと思います。

飲食業やサービス業はなかなか人件費が上がらない構造がありますが、今回のインフレ化での強い決意から、日本のデフレが解消される可能性を感じました。

すでに年内で1万品目以上の値上げが決まっており、ロシア・ウクライナ問題なども考慮すると、まだまだ値上げラッシュが続くと考えます。

ある大手飲料メーカーの話

最近、ある大手飲料メーカーの方とお話しましたが、デフレの象徴とされている飲料でも値上げを実施予定で、消費税の増税を除いてはこれが初めての値上げになるとのことです。

今回は約20円の値上げを行い、スーパーから拒否されても断固とした決意で実施するとのお話でした。

5月のレインズ成約事例

続いてレインズ成約事例についてご紹介させて頂きます。

1都3県の成約件数は昨年対比で約96%、ほぼ昨年と同程度の成約状況です。

昨月の成約件数と比べもやや減少傾向で、在庫の増加に繋がっている可能性はあります

2022年4月成約数:29件
2022年5月成約数:23件(速報値)

レインズ在庫は1164件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)先月の1128件から在庫は横ばいです。

2021年5月〜2022年5月の成約数比較表
レインズより当社集計

2022年5月 レインズ成約事例(抜粋)

①「下丸子」駅 徒歩9分 H20年 S造
 売出価格 1.49億⇒成約価格 1.49億
 土地 69坪 建物 102坪
 成約利回り⇒約7.47%
 ポイント:旭化成施工、角地
 留意点:土地借地権あり

物件チラシ

②「北小金」駅 徒歩2分 H2年 RC造
 売出価格 2.15億⇒成約価格 2.0億
 土地 189坪 建物 295坪
 成約利回り⇒約7.44%
 ポイント:駅徒歩2分、タイル貼りRC
 留意点:トランクルームあり

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③「川崎」駅 徒歩13分 H1年 RC造
 売出価格 2.48億⇒成約価格 2.38億
 土地 74坪 建物 177坪
 成約利回り⇒約7.01%
 ポイント:H27年大規模修繕実施、2路線利用可能
 留意点:EV無5階建て

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④「相武台前」駅 徒歩13分 H4年 RC造
 売出価格 1.85億⇒成約価格 1.70億
 土地 238坪 建物 327坪
 成約利回り⇒約6.85%
 ポイント:土地が広い(780㎡以上)、公道角地
 留意点:字型△

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⑤「京成幕張」駅 徒歩6分 H8年 S造
 売出価格 1.12億⇒成約価格 1.12億 ※満額
 土地 142坪 建物 43坪
 成約利回り⇒約6.75%
 ポイント:角地、2路線利用可能
 留意点:1R×6戸(空室損が大きくなる)

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⑥「花月総持寺」駅 徒歩7分 H11年 RC造

売出価格 2.2億⇒成約価格 2.03億

土地 118坪 建物 126坪

成約利回り⇒約6.56%

ポイント:EV無、残存24年RC、検済証あり

留意点:単身間取り

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⑦「三ノ輪」駅 徒歩5分 H11年 RC造
 売出価格 1.55億⇒成約価格 1.55億 ※満額 
 土地 35坪 建物 142坪
 成約利回り⇒約6.02%
 ポイント:残存24年RC、接道◎、容積率600%
 留意点:字型△、全7戸(空室損が大きくなる)

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⑧「武蔵新城」駅 徒歩4分 H24年 S造
 売出価格 1.65億⇒成約価格 1.65億 ※満額
 土地 58坪 建物 78坪
 成約利回り⇒約5.37%
 ポイント:旭化成施工、駅徒歩4分、H24年築
 留意点:私道接続あり、サブリースあり

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⑨「練馬春日町」駅 徒歩5分 H15年 RC造
 売出価格 2.88億⇒成約価格 2.75億
 土地 75坪 建物 145坪
 成約利回り⇒約5.30%
 ポイント:南西角地、残存28年RC、駅徒歩5分
 留意点:利回り5%台

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