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横浜銀行のコベナンツ融資について、最新の動向をお伝えします。
現在の融資環境下では不動産投資家からとても人気のある融資商品ですが、ここ半年で融資基準がやや厳しくなりました。当社はコベナンツ融資のアレンジ実績が豊富にあるので、何か参考になる情報を提供できればと思います。
【不動産投資】コベナンツ融資を融資事例つきでゼロから解説【中古RCに最適】
1.コベナンツ融資の何が厳格化したか
2020年8月ごろ、まだ不動産投資のコベナンツ融資はさほど知られていませんでした。そのため、ある種の「ゆるさ」がありましたが、半年経った現在では下記項目について厳しくなりました。
①初期費用:3~5%⇒原則は5% ②融資期間のMAX:経済的耐用年数⇒60年-経過年数 ③金利:10年固定で1%前後⇒10年固定で1.4%前後 ④コベナンツ条項:「修繕積立金としての積立定期預金」が追加 |
2.詳細解説
①初期費用:3~5%→原則は5%
以前は金利等とのバランスを見ながら3~5%の範囲で決定されるという形でしたが、最近は「5%」の手数料がほぼ必須となっています。
ただ、3億円前後などグロスが大きい不動産については、手数料で1,000万円超と高額になるので、例外ケースもありえます。
実際、当社が担当した融資アレンジでは、初期費用を何としても抑えたいという交渉の末「手数料4%で金利調整」という条件が決まったこともありました。
②融資期間のMAX:経済的耐用年数→60年-経過年数
当初は「融資の最長期間」について横浜銀行様から特に指摘が入ることはありませんでしたが、最近では「60年-経過年数」が融資期間の最長期間となってきました。
とは言え経済的耐用年数の調査報告書を提出する必要性は変わらず、「経済的耐用年数の範囲内で60年-経過年数」が大原則です。
直近の当社の融資アレンジ事例だと、1991年築の物件が融資期間29年で実行予定です。 |
③金利:10年固定で1%前後⇒10年固定で1.4%前後
米国の金利上昇の煽りも受け、全体的に金利の上昇傾向が見られます。
特に12月から3月までで「コベナンツに限らず、銀行全体の基準金利が0.3%ほど上昇した」とのことで、3月の10年固定金利は1.40%が原則となっています。
④コベナンツ条項:「修繕積立金としての積立定期預金」が追加
コベナンツ融資を利用するのは築30年前後の収益不動産が多く、修繕状況もまちまちであるため、物件の状況に応じた修繕積立金として「積立定期のリザーブ預金」への預け入れが新規の条件として追加されました。
もっとも「修繕工事の請求書などの資料があればいつても引き出し可能」とのことで、実際にはそこまで大きな影響は無い見込みですが、資金の使用用途が限定されてしまうという意味ではネックな点です。
3.厳格化されていない項目
・融資額(フルローンも可能) ・財務制限(2期連続の赤字を出さない、純資産の黒字維持、等) |
については特に厳格化されておりません。
むしろ2期連続の赤字禁止については「減価償却費を損金に計上しない経常利益」が対象となったため条件緩和とも言えます。
4.コベナンツ融資はズバリまだ使えるか
ここまでコベナンツ融資が厳格化してきたというお話をしてきましたが、それでも現在の金融市況・不動産市況では有力な選択肢の1つに違いありません。
「フルローン・長期融資・金利1%前半」を実現可能なのはコベナンツ融資ぐらいだからです。
コベナンツ融資は買い増しにも強いです。 1棟目、2棟目ともにコベナンツ融資を使う投資家様も徐々に現れております。 コベナンツ融資では「鑑定評価額を基準とした資産価値」でバランスシートを見てくださるため、複数棟の取り組みは積算重視の金融機関さんより比較的ハードルが低いことがその理由です。 |