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新富裕層のための不動産投資-2026年2月 / 現場で感じる不動産市況

本記事は公開1~2か月前に配信した富裕層向け不動産投資メルマガの抜粋です。

現場で感じる不動産市況
~最新金利動向と金融庁レポート分析など~

【1】現場で感じる不動産市況

2月は大手不動産会社でも第3四半期決算の発表があり、最高益更新の会社が多く、不動産株指数も上昇しました。
新築マンションにつきましては、供給を絞ることで、単価・売上・利益の増加という循環が生まれています。
都心部の高級マンションの短期転売の増加は社会問題化しつつありますが、相対的に築35年以上の物件に対する影響は限定的です。
1棟収益物件につきましても全体的に単価が上昇しており、直近で通期業績予想の上方修正を行ったオープンハウスグループ様の決算資料によりますと、平均販売単価2.59億円⇒4.52億円に急上昇しております。

一方、昨年12月の利上げを受けて、2月から変動金利が上昇する金融機関も多く、賃貸収益が分配原資となるREIT指数は伸び悩んでいます。
日銀が公表している新規約定金利(長期)を見ますと、昨年末時点ではメガバンクと地銀は横並びで、1%半ばのため、今後は2%弱の水準になることが想定されます。
金利上昇と家賃上昇にはタイムラグがありますが、REITに投資する海外投資家からすると、その変化の時間軸をイメージしにくいのかもしれません。

最前線の肌感覚としましては、30年ぶりの本格的な家賃上昇トレンドが形成されつつあることを感じます。一般的に、駅距離1分毎に1%、築年数1年ごとに1%の賃料差がありますが、エリア特性、需給ギャップによって個別性が強いため、相対的に割安となっている地域もございます。

また、日常的な物価高を感じる事例として、ビッグマックがついに500円の大台に乗り、セットなら1000円近い時代に入りました。過去、キャンペーンとは言え、65円でハンバーガーが食べられた時代もあったことを考えると、今後、価格は上がるものという社会通念が徐々に浸透していると感じます。

肝心の実質賃金につきましては、世界情勢不安、資源価格高騰のリスクもあり、今年の賃上げ幅に注目が集まりますが、初任給40万円を超える大手企業も増えているため、企業の採用競争の中で賃金上昇トレンドも期待されます。

ただ、レインズ成約事例から読み解きますと、賃料UPについて期待値が高い物件と低い物件とで2極化は進んでおり、この30年ぶりの環境変化をプラスに転換できるかどうか、物件の収益性、資産性の見極めが重要になっています。

【2】地銀の最新融資動向

金融機関の立場では、新規融資以外でお客様のアフター対応も重要業務に位置付けられています。
ベテランの方以外はお客様への利上げ交渉、預金協力営業の経験をしたことがない行員も多く、組織としての方針、優先順位の判断が分かれる局面でもあります。
そのため、既存のお取引様へのフォロー、融資条件改定の業務負担が増え、新規融資まで手が回らず、既存取引先へのご融資に絞っているというお話も増えてきました。
また、上記オペレーションの問題に加えて、ストレスチェックや格付審査のハードルをどこに置くかで、各行の融資姿勢が変わるため、組織の方針、取引実績、ご担当者様との関係性、タイミング等の見極めも重要です。

首都圏の大手地銀は全体的に不動産融資に積極姿勢ですが、直近では、静岡銀行様、りそな銀行様が特に積極的だと感じています。
最新の肌感覚ですと、両行はさらに不動産融資を増やす方針のため、競合になり得るメガバンク、地銀との差別化を図っています。

これまでの基準では融資が伸びにくい案件についても、より好条件(低金利&高レバレッジ)での融資ができるよう方針変更があり、実際に内諾をいただく案件がありました。
また、りそな銀行様は、金融資産10億円以上の富裕層に対して、一定の条件を満たした場合、資金使途自由で低金利のフリーローンを行うという優遇策もお聴きしました。
上記富裕層枠のハードルは高いですが、株高もあって年々富裕層が増加しているため、VIPのお客様であれば大きな恩恵が受けられると感じます。

一方で、金融庁が地銀に対して不動産融資の警告を行ったというニュースもございました。
詳細は不明ですが、越境融資かつ不動産融資比率の高い銀行などについて、けん制する意図があったと思われます。金融庁のレポートによりますと、越境融資の残高が増えており、越境融資の保全率が低いことについて指摘があります。

保全率=(担保額+保証等額+個別貸倒引当⾦)/ 貸出残⾼×100で算出されていますが、融資年度によっても異なり、以前に比べて全体的に保全率が低下しています。

不動産価格の上昇で担保価値が追い付いていない事情もありますが、貸倒引当金をどの程度見るかによっても融資姿勢は変わるため、リスク管理が難しい越境融資に対して警戒を行ったものと推察しています。
当社では、越境融資案件がほとんどないため、現時点では大きな影響は感じていませんが、今後も金融庁のチェックポイント、方針はモニタリングしていきます。

新規約定金利の推移【出典:日本銀行 HP】
越境融資割合(残高割合、先数割合)
【出典:地域銀⾏の信⽤リスク管理態勢の実態把握に向けた分析 (保全状況に関する分析・債務者区分の遷移予測モデル)】
https://www.fsa.go.jp/common/about/kaikaku/fsaanalyticalnotes/20250617/02.pdf

【3】賃貸申込審査のポイントと最新リフォーム事例

賃貸経営の本質は、長期的な賃貸需要ですが、どんなご入居者様(お客様)に住んでいただくのかが重要です。
賃料UPを目指すにしても、そもそも賃料を払えるだけの資力が必要なため、家賃支払い能力&意欲、そしてマナー遵守の観点で審査しています。
仮に一時的に成約となっても、能力、意欲に起因する滞納や早期解約に伴う空室損、経費増加を避ける必要があり、当社では保証会社との契約を必須条件にしています。

提携先のジェイリース株式会社様(プライム上場)の決算資料によりますと、代位弁済率は6%となっており、100人中6人は遅延または滞納していることがわかり、住宅ローンの延滞率と比べますと、10倍以上リスクが高いとも考えられます。ただ、ご入居者様の審査については奥が深く、表面的な情報のみの判断には限界があるため、申込理由、現在のお住まい、仲介会社様との関係、転居理由、家族構成、ご年齢など様々な情報、背景から総合判断をしています。

物価高で引っ越し費用も高くなってはいますが、単身間取りは比較的引っ越しも容易ですし、各種キャンペーンによる需要喚起を行った場合、入居期間が短い傾向にあるため留意する必要はあります。

当社では、賃料を高める創意工夫も行っていますが、ある程度の広さがある物件の方が、間取り変更やリフォームで差別化もしやすい傾向にあります。工事費用の上昇自体はマイナス要因ですが、競合のオーナー様も同じ環境のため、設備投資ができる資力があるオーナー様には優位性があります。
また、投資用で新築マンションを建てる場合、利回り重視の単身マンションが王道で効率的ですが、賃貸用ファミリーマンションを建築する方が少ないという構造的要因もあります。

直近では、自社物件としては最高賃料帯の20万円を超えるお部屋作りを目指し、細部までこだわり抜いたリノベーションを実施しました。
建築部門の一級建築士によるご入居者様視点での導線設計や仕様、デザインにもこだわり、AIホームステージングも導入した結果、工事完了前から多くの反響をいただいております。
もちろん、立地や物件特性に合わせたリフォーム、賃貸募集がポイントにはなりますので、今後も自社物件でのノウハウを蓄積し、オーナー様に共有・還元していきたいと思います。

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日本人と外国人の人口増減【出典:ジェイリース 2026年3月期第3四半期決算説明資料】
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出典:当社事例
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出典:当社事例

4.レインズ成約事例(1月)

次に2月のレインズ成約状況についてご紹介させて頂きます。
一都三県の成約件数としましては昨年対比7%増で先月からは14件増加となっています。
2026年1月成約数:62件(確定値) 
2026年2月成約数:76件(速報値)
※2月は速報値のため上振れする可能性はあります

2026年2月レインズ成約件数(一都三県、1億~5億).jpg

レインズ在庫は【平成元年築以降、1億~5億、都内でレインズに1652件掲載、※重複有】
先月の1615件から37件増加でした。

①京成松戸線「前原」駅 徒歩5分 1990年 RC造
売出価格 1.28億円 ⇒ 成約価格 1.20億円
土地 149坪 建物 222坪
成約利回り ⇒ 8.5%
ポイント:駅5分×ファミリー、積算比率100%
留意点:修繕履歴△、稼働率90%弱

②JR横浜線「大口」駅 徒歩17分 1992年 RC造
売出価格 2.48億円 ⇒ 成約価格 2.48億円 ※満額
土地 180坪 建物 263坪
成約利回り ⇒ 8.0%
ポイント:2025年屋上防水工事済、タイル張り
留意点:駅からのアプローチ、高低差のある接道

③小田急小田原線「生田」駅 徒歩5分 1990年 RC造
売出価格 2.88億円⇒成約価格 2.285億円
土地 116坪 建物 227坪
成約利回り ⇒ 8.0%
ポイント:駅徒歩5分、学生需要有(近隣に複数大学)
留意点:間取り(16㎡×3点ユニット)、擁壁有

④JR根岸線「根岸」駅 徒歩20分 1994年 RC造
売出価格 9500万円 ⇒ 成約価格 9200万円
土地 70坪 建物 112坪
成約利回り ⇒ 7.5%
ポイント:賃貸需給バランス〇、整形地、ELV無
留意点:駅20分、修繕履歴△

⑤JR横浜線・小田急小田原線「町田」駅 徒歩10分 1997年 RC造
売出価格 8.425億円 ⇒ 成約価格 8.425億円 ※満額
土地 382坪 建物 706坪
成約利回り ⇒ 6.2%
ポイント:土地380坪×整形地×角地、建物グレード〇
留意点:機械式駐車場有(未修繕)

⑥京王井の頭線「西永福」駅 徒歩5分 2004年 RC造
売出価格 1.88億円 ⇒ 成約価格 1.88億円 ※満額
土地 49坪 建物 78坪
成約利回り ⇒ 4.7%
ポイント:大成建設施工、両面道路、 整形地
留意点:敷地の一部が都市計画道路内

東京メトロ丸ノ内線「中野富士見町」駅 徒歩14分 2006年 RC造
売出価格 8.56億円 ⇒ 成約価格 8.56億円 ※満額
土地 109坪 建物 297坪
成約利回り ⇒ 4.3%
ポイント:大規模修繕済、角地、2006年築RC
留意点:単身間取り中心

東京メトロ丸ノ内線「東高円寺」駅 徒歩6分 2016年 RC造
売出価格 3.99億円 ⇒ 成約価格 3.85億円
土地 49坪 建物 130坪
成約利回り ⇒ 3.8% (サブリース解除後4.5%)
ポイント:サブリース解除可能、2016年築RC
留意点:私道負担有