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新富裕層のための不動産投資-2026年7月 / 現場で感じる不動産市況

本記事は公開1~2か月前に配信した富裕層向け不動産投資メルマガの抜粋です。

現場で感じる不動産市況
~インフレに備える賃貸経営とリニア開業への展望など~

【1】現場で感じる不動産市況

7月31日の金融政策決定会合では、9人中8人の賛成多数で金利1.0%の据え置きとなりました。
円安圧力も継続している中で、日米協調為替介入もあり、今後の利上げペースが前倒しになる可能性もあります。
低金利時に固定金利で借りていらっしゃる方も、徐々に切り替えのタイミングでご負担を感じられますので、利上げと並行して家賃へ価格転嫁する動きも加速しています。

ポータルサイトLIFULL HOME'S によれば、2026年3月の募集事例では、間取りやエリアで個別性はありますが、首都圏では前年比約10%UPでの募集を行っています。

上記はエリア平均ですが、当社管理物件においても、


単身物件   :6万円  ⇒ 6.6万円
ファミリー物件:10万円 ⇒ 11万円


というイメージで概ね体感値と一致しています。

現場感といたしましては、比較的若い世代の方はインフレに対する抵抗も少なく、更新時等の家賃値上げについてもご理解をいただけることが多い印象です。もちろん、客観的な根拠の提示や丁寧なご説明が求められることは言うまでもありません。

一方で、住宅ローンも35年超の超長期融資が増えていますし、株式投資のリスク耐性もありますので、あらゆる価値観、投資判断軸について、世代交代が進んでいることを実感します。

ただし、日本の家計金融資産の約65%は60代以上の世代が保有している事実があり、平成バブルをご経験された65歳以上の方は、保守傾向ですので、日本全体の活性化のためには富の承継がますます重要になります。

また、日本に先行して利上げが実施された欧米や米国の市況変化を参照しますと、利上げは過熱した市場を冷やす効果があることがわかります。日本の場合、相対的に価格上昇も緩やかですので、都心部以外での変化幅は少ないと思いますが、都心部やタワーマンションなどは株式にも近い荒い値動きとなっています。

不動産価格も賃料も為替も、過渡期のため、大局的な流れを把握することが重要だと思いますが、相変わらず売り手優位の状況があるため、当社としましては、安定的な商品が供給できますように、引き続き創意工夫をしてまいります。

ホームズ 2026年3月の首都圏平均掲載賃料(ファミリー)
ホームズ 2026年3月の首都圏平均掲載賃料(ファミリー)
今後1年間の不動産投資に対する考え方
【出典:日本不動産研究所 第54回 「不動産投資家調査®」の調査結果】

【2】日銀と金融機関の最新融資動向

7月に全東信の破綻のニュースがあり、負債総額1000億円超と今年最大規模となりました。
仮に貸出資産利益率を1%とした場合、不良債権金額の約100倍のインパクトはあるため、金融機関への影響を注視していましたが、現時点での不動産融資に対する影響はほとんどないと聞いています。
一方で、与信調査についての不備が無かったのか、今後の連鎖倒産のリスク管理という観点も含めて、経産省と金融庁の調査が入るようです。
全東信への大口融資を行っていた金融機関では、厳格化に転じる可能性はありますが、相対的に安全な不動産融資に重点を置くという経営戦略もあり得ますので、日々のやり取りの中でチャンスを見出してまいります。

また、日本の財政不安、円安トレンドから、金利の先高観も高まり、ターミナルレートも2%を超えた水準となっており、不動産に対する融資利回りもやや上昇傾向にあります。
地銀の預貸率も上昇しており、預金獲得競争も激化する中で、社債発行を行う金融機関も出てきましたので、将来的な貸出意欲とも感じられます。

続いて、直近の融資実績を踏まえて個別の金融機関について最新動向を共有させていただきます。特に千葉銀行様につきましては、融資期間延長について大きな方針転換の兆候があります。


千葉銀行様
融資期間≒減価償却期間が原則でしたが、融資期間の延長について個別対応の方針へ

静岡銀行様
お客様の与信、ご預金などの総合判断で、フルローンに積極的

東日本銀行様
コベナンツ融資で積極融資、条件緩和方向へ

りそな銀行様
金融資産次第で、優遇幅の拡大へ

山陰合同銀行様
新富裕層の方への積極融資、長期融資


もちろん、総合判断という大前提はありますが、AI審査で効率性を高めながらも個別具体的にご判断いただける事例も増えていくかと思います。ご不明点や詳細に関するご質問等ございましたら、個別にご相談いただけますと幸いです。

全東信破産、問われる与信管理=地域金融機関、金融庁が点検へhttps://sp.m.jiji.com/article/show/3829192

【3】リニア開業への展望

7月7日、リニア中央新幹線の開業に向けて、静岡県の着工容認でまた一歩前進しました。当初、品川⇔名古屋間は2027年開業予定でしたので、約10年以上遅れる見込みですが、今年中に開業見通しのスケジュールが発表される見込みです。

まず、リニア開業の目的ですが、大きく3つあります。


①新幹線の老朽化と災害時のバックアップ機能
②移動時間短縮による都市圏・沿線の経済効果
③東海道新幹線の利便性向上(ひかり、こだまの増発)


①新幹線の老朽化と災害時のバックアップ機能
新幹線は1964年の開業から62年経過し、設備も劣化しているため、リニューアル等が必要な時期であるのと、南海トラフ地震等に備えた、大規模及び緊急時の輸送網の確保が急務です。

②移動時間短縮による都市圏・沿線の経済効果
品川駅から名古屋駅まで、約40分と大幅に短縮され、中部圏、関西圏も含めた経済効果が期待されます。橋本駅(神奈川県駅)まで10分を筆頭に、各中間駅からの通勤需要も想定されます。

③東海道新幹線の利便性向上(ひかり、こだまの増発)
リニアは東京⇔名古屋間の最短である【のぞみ】需要を代替するため、既存の東海道新幹線におけるダイヤで、のぞみ本数を減らした分、【ひかり】や【こまだ】を増便して、中間駅の利便性向上を目指します。

かつての新横浜駅開業の事例を参考にしますと、駅が完成しただけで、価値が上がるわけではなく、周辺の再開発、企業誘致、交通網の発達などを通じて地価、賃料が上昇すると考えられます。

特に橋本駅(神奈川県駅)はリニアで10分圏内ということを考えますと、都心と比べて地価も賃料も割安ですが、実際に開業するまで10年以上あり、再開発によって、どこまで街の魅力が高まるのかどうか、停車頻度など不確定要素もございます。

そのため、新駅開業、再開発ということだけを目的に投資判断を行うことは危険ですが、株式投資と違って、投資判断の時間軸が長いため、実際に現地を見たり、様々な角度から検証できる点は不動産経営の魅力といえます。

リニアルートと南海トラフ巨大地震の想定震度【出典:JR東海 HP】https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/
品川駅から各駅までの時間距離【出典: リニア中央新幹線中間駅を核とする 「新たな広域中核地方圏」の形成 】
https://www.ibs.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/linear_report.pdf
神奈川県駅(仮称)の状況【出典:リニアまちづくりについて~橋本駅周辺まちづくり、関東車両基地の設置~】

4.レインズ成約事例

次に7月のレインズ成約状況についてご紹介させて頂きます。
1都3県の成約件数としましては先月からは12件減少となっています。

2025年6月成約数:97件(確定値) 
2026年7月成約数:85件(速報値)

※7月は速報値のため上振れする可能性はあります。

レインズ在庫は【平成元年築以降、1億~5億、都内でレインズに1737件掲載、※重複有】で、先月の1681件から56件増加でした。